AIが攻撃と標的の両方に 悪用89%増とCrowdStrike報告
- CrowdStrikeの年次調査で、AI活用型攻撃が前年比89%増加と報告された
- 認証情報を盗んでAI APIを不正利用する手口や、AI開発環境を狙うサプライチェーン攻撃が確認された
- 脆弱性の公開後48時間以内に攻撃される例が88%に達し、従来の30日パッチ対応は通用しないとされる
かんたんに言うと
攻撃者がAIを武器にする一方、企業のAIシステム自体も狙われ始めています。修正プログラムの適用は数日待たず、公開後すぐに対応する体制が必要です。
AIセキュリティとの関連: AIが攻撃ツールと攻撃対象の両方になっている実態を示す最新データで、防御側の優先対応を左右する内容のため
一次情報(公式アドバイザリ・CVEレコード等)は確認できていません。本記事は下記の報道をもとに作成しています。
何が起きたか
セキュリティ企業CrowdStrikeの年次脅威レポートによると、AIを悪用した攻撃が2025年に前年比89%増加したと報じられている。犯罪組織や国家系ハッカーが偵察から攻撃実行まで攻撃工程全体でAIを利用しているという。手口には、企業の認証情報を盗んで大規模言語モデル(LLM)のAPIに不正アクセスする「LLMjacking」や、被害者のAI利用料を意図的に増大させる手口が含まれる。ある事例では、盗んだトークンを使い2分間に約20万件のAPIリクエストが送られたとされる。北朝鮮系グループ「Famous Chollima」は、AI生成のウェブサイトやGitHubアカウントを使い偽の企業を作り、内部関与型の攻撃を仕掛けたとされる。また同グループは開発者向けリポジトリに悪意あるスクリプトを隠し、開発環境への侵入に成功したという。加えて公開概念実証(PoC)コードを使った攻撃の88%が、公開後48時間以内に発生したと報告されている。
誰に・どう影響するか
大企業では、AI開発基盤やCI/CDパイプライン(継続的にコードを構築・配布する仕組み)を狙われるリスクが高く、サプライチェーン全体への影響が懸念される。特にクラウドサービスやオープンソース依存関係を多用する組織は標的になりやすいとされる。中小企業においても、AI APIの利用や外部ライブラリ導入が広がる中、認証情報の窃取やAPI不正利用の被害を受ける可能性がある。パッチ適用までの余裕が数日から数時間に短縮している点は、規模を問わず全ての組織に共通する課題とされる。
今すぐやるべきアクション
- AI関連APIキーやクレデンシャルの管理を強化し、異常な利用量を監視する
- 脆弱性情報公開後24〜48時間以内にパッチを適用できる体制を整える
- GitHubなど外部リポジトリ利用時はコード内容を検証し、不審なスクリプトを排除する
- サプライチェーン全体(依存パッケージ・CI/CDパイプライン)の可視化と監査を実施する
- AI利用ログを継続的にレビューし、想定外のトークン消費やAPI呼び出しを早期検知する
重大度の判定理由
重大度「高」: 北朝鮮系など複数グループによる実際の悪用例があり、パッチ猶予が48時間に短縮するなど広範囲に影響