AIエージェントHermes悪用、タイ財務省侵入を自動化
- オープンソースAIエージェント「Hermes」が確認プロンプトを無効化した「YOLOモード」で稼働。
- タイ財務省のネットワーク内で権限昇格の調査やファイル探索を無人で実行していた。
- 運用者のログがネット上に公開状態で放置され、セキュリティ企業Hunt.ioが発見・報告した。
かんたんに言うと
攻撃者がAIアシスタントの『確認して』機能を切って、財務省のネットワーク内を自動で調べさせていました。自社でもAIツールに強い権限を無警戒で与えていないか確認しましょう。
AIセキュリティとの関連: AIエージェントを無人・無確認モードで動かし、侵入後の攻撃作業を自動化した実例として注目される。
何が起きたか
報道によると、何者かがレンタルサーバーにオープンソースAIアシスタント「Hermes」(Nous Research開発)を導入し、危険なコマンド実行前に人の許可を求める設定を無効化する「YOLOモード」で稼働させた。対象はタイ財務省のネットワークで、既に何らかの手段で侵入済みだった攻撃者が、その後の権限昇格調査やファイル探索、2012年以降の職員記録が入ったフォルダの探索をAIエージェントに任せていたとされる。運用者はエージェント自身のログをディレクトリ一覧表示が有効なWebサーバーに放置しており、脅威インテリジェンス企業Hunt.ioと研究者Bob Diachenko氏がこれを発見、585ファイル・470MBの攻撃ツール一式とともに公表した。データ流出を示す証拠は見つかっていない。
誰に・どう影響するか
中小企業にとっては直接の被害対象ではないが、同様の手口(AIエージェントの自動権限昇格・探索)が今後汎用的な攻撃手法として広まる可能性がある点に注意が必要。大企業や政府機関にとっては、Hadoopの認証機能「HiveServer2」が既定でNONE(無認証)設定のまま運用されているケースが標的にされた点が重要で、大規模データ基盤を持つ組織ほど確認が急がれる。また、社内でAIエージェントを導入する側にとっても、確認なしで操作を自動実行する設定(YOLOモード相当)の危険性を示す事例として参考になる。
今すぐやるべきアクション
- HiveServer2などデータ基盤の認証設定がNONE(無認証)になっていないか点検する
- Webサーバーから内部のHadoopポート(10000番など)への通信を監視・アラート対象にする
- AIエージェントに危険操作の自動承認(YOLOモード等)を許可する場合は隔離環境に限定する
- 記事内で挙げられた2026年のLinuxカーネル脆弱性(CVE-2026-31431等)やsudo、polkitのパッチ適用状況を確認する
- 外部公開サーバーのディレクトリ一覧表示設定を無効化し、意図しない情報露出を防ぐ
重大度の判定理由
重大度「高」: 確認済みの悪用事例だが単一組織の被害。Hadoop既定認証など汎用的リスクを含み影響範囲は広い可能性